「なっとQ〜」の1冊目が出たのは2010年、今から10年前のことです。企画を持ち込んだ当時、我々はまだ大学院生でしたが、すぐに社会人になり結婚して子供ができ、その子供達が「なっとQ〜」を読むようになりました。
大学院生だった我々は「一緒に世の中に何かできないだろうか?」という思いだけで「なっとQ〜」を作りましたが、今では、その繋がりを通じて「レヴィ」という会社を起業して活動しています。宇宙開発や人工衛星におけるものづくりのやり方をベースにして、ソフトウェアや電子回路などのシステムをより良く作る方法をお客さんと一緒に考え、サービスを提供する中で、算数を通じて学んできた問題把握・解決は間違いなく役立つものでした。
この10年で社会のあり方はさらに大きく変わりましたが、私たちが「なっとQ〜」を通じて伝えたかった「算数を通じてより本質的な視点で問題を捉えられるようにする」ことの重要性はますます高まっています。そして自分たちの体験を通じてその内容が全く古くなっていない事に少なからず自信を持つことができたと感じています。
まだレヴィは社会的な影響力も小さく、新型コロナウイルスの感染拡大に対してできることは残念ながらそれほど多くありませんが、「なっとQ〜」の無償公開という形で少しでもお役に立てればと考えています。この思いつきに対して、すぐに快諾してくださった小学館の担当の方には感謝しかありません。
1冊目の「なっとQ〜」は子供が親に教えるというコンセプトを元に親子で楽しむ本、「文章題なっとQ〜」は問題をより深く理解するのための本、「パズルなっとQ〜」は手軽に楽しめる本になっています。親子が一緒にいる今だからこそ、「なっとQ〜」を通じて親子でいっしょに算数を楽しんでいただけたら幸いです。